答練の添削の”正しい”活用法とは??

 

んにちは!かわしょー吉です。

 

今回は

答練で受ける添削の

”正しい”活用法

についてのお話です。

 

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あなたは

添削を受けた答案を

一読したまま放置してはいませんか?

 

具体的に

答案の「どの部分」が「どのように」

「なぜそのように採点者に伝わったのか」

など,細かく分析したことがありますか?

 

 

せっかく

高い予備校の受講料

模試の受験料を投下したとしても

 

ただ問題を解いて

それについて添削を受けた

 

それだけでは

効果は50%しか得られません。

 

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半分でも

効果があればそれで構わない

と思うのか

 

いや!半分ではダメだ!足りない!

と切迫感を持つのかは

 

人によって,その程度も含めて

異なると思います。

 

 

しかし,少なくとも

答練を受け,添削を受ければ

必要かつ十分であると考えるのは

愚の骨頂です。

 

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もっとも

 

答案の添削を受けて

「あなたに何も言うことはありません。」

「そのまま勉強して,知識をつければ,

受かります。」

 

このような評価を受けることが

常態と化したならば,

 

添削を細かく分析する作業を相対的に削り

知識のブラッシュアップをすることは

相応の根拠があるといえるでしょう。

 

 

しかし

そのような段階に至るまでは

 

自分の答案と向き合うことなくして

課題を修正し,答案のレベルアップを図る

ことは望めません。

 

そして,私はあなたに

答練を

100%,いや,120%活用し

 

上位合格するレベルの答案を書く実力

つけてもらいたいのです。

 

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否,共につけていきたい

考えています。

 

そこで

私が上位合格者の方から教わり

実践している

 

答練の活用法

をご紹介します。

 

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ここでは,基本的な

3つのチェック項目についてお教えします。

 

  1. 答案の形式面の指摘と知識・理論面の指摘の区別
  2. 論理の組み立て方の指摘と語彙(表現)の指摘の区別
  3. 出題意図とのズレ・論述のバランスの指摘の有無

です。

 

あなたがもし

添削を受けた答案を持っているなら

今すぐ

この区別・分類をしてみて下さい。

 

そうすると,

自分の思考のクセを知ることができます。

答案の書き方の傾向を客観化できます。

 

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次の答練で意識的に修正していくべき

課題が明白になります。

 

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これを積み重ねていくことで

着実に答案の質の向上が望めます。

 

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いかがでしたか??

 

 

次回は

あてはめ(法適用)の向上

についてお話します。

 

 

 

 

 

批判を避ける姿勢が孕む落とし穴

んにちは!かわしょー吉です。

 

今回は

論文式試験のための

答練との向き合い方

に関するお話です。

 

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*LECでは,デジタル添削というものがあるようです。

 

 

答練をする場面は

 

予備校などの講座のほか

大学内の講座

自主ゼミなど

 

場面も様々あることでしょう。

 

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ここでいう「答練」は,

 

事例問題について,制限時間内に起案をし

それについて講師等の方の添削を受ける

というもの

 

を前提にしたいと思います。

 

 

受験生なら誰しも

答案の添削が返却されたときは

真っ赤になった紙面をみる度に

うろたえることでしょう。

 

 

 

本当に萎えますよね(笑)

 

 

そのとき

あなたは,返却された起案から

目を背けようとしてはいませんか?

 

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ひいては,

答練そのものに

嫌悪感を抱いてしまい

答練を苦痛に感じ,

 

自分が書いた起案を第三者に見てもらい

添削を受けるという勉強自体

回避する姿勢になっていませんか?

 

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しかし,そのような姿勢は

司法試験の合格から,

自らを遠ざけることになります

 

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論文式試験では

採点者を書面で説得しなければなりません。

 

そして,採点者は自分以外の第三者ですから

 

自分の書いた答案が

司法試験合格水準を満たす答案の形であるかどうか

 

 

その距離感を測るためには

自分以外の第三者に答案を批判に

さらしてみるほかはないのです。

 

 

とはいえ,論文を書くのが苦手な人

文章を書くことが苦手な人

にとっては

 

どうしても,答練ないしは

その後の少人数ゼミ等での議論への参加は

 

心底辛いことであると思います。

 

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そんなあなたに

答練を継続するマインドセット

をお教えします。

 

あなたがこれを知らなければ

いつまでたっても

 

答練が苦痛のままで,克服すべき課題を

自己認識できません

 

 

しかし

このマインドセットを知ることができれば

 

あなたは

答練をいわばRPG感覚で

楽しむことができます。

 

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そして,その過程で

一歩一歩階段を上るような

論述力の漸次的な向上を

実感することができます。

 

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そのマインドセットとは

「満点の答案は,存在しない。」

というものです。

 

論文の答練において

引け目を感じたり,なんか苦手を感じる

という人は

 

ただ単に,文章表現や論理構築が苦手

というだけではなく

 

潜在意識の中で

自己評価と実際の評価とのギャップや

数字にとらわれてしまうような

 

完璧を求める姿勢に

陥りがちなものでもあります

 

 

しかし,

司法試験は相対評価である上,

論理的に1つの解しか導かれない

というものではありません。

 

結論へ至る過程も

決して1つには限られません。

 

そして何より,

限られた時間内において,

事案を解決するためにベストな論理を

構築することが求められているので

 

 

完全答案の実現を求めることは

合格のためには必要ありません。

 

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心にゆとりができましたか??

 

さぁ,あなたも

答練に臨む前に,心の中で

「満点の答案は,存在しない。」

5回言ってみましょう。

 

 

このようなマインドセットを軽視する人も

いるかもしれませんが

意外と大事です!!

 

 

次回は

引き続き答練について

+αの活用法

についてお話します。

 

 

 

 

 

基礎知識こそが未知問を解くカギ

 

 

んにちは!かわしょー吉です。

 

今回は

基礎知識の重要性

についてのお話です。

 

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ところで,あなたは

株主代表訴訟会社法847条1項)

における「責任」には

債務不履行責任ないし不法行為責任が含まれるか

という問題(論点)について

 

数秒で規範論証を想起することができますか?

 

あー,知ってるよそんなの(笑)

なんていう方もいると思います。

 

 

 

他方で,典型論点主義のあなた

 

「取引上の債務」が「責任」に包含されるか?

っていう論点があったはずだな。

そして,これに関しては判例があったはずだな。

 

というところまでは,規範論証を

数秒で思い至ることでしょう。

 

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しかし,そこから先

 

判例が「取引上の債務」を含めたのであれば

債務不履行責任」まで含まれるといえそう?

でも,その論証ってどう書くんだろう?

 

不法行為責任も含まれるか??

そんな論点あったっけ???

論証パターンのストックにはない(>_<)

 

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脳内はこんな状況になっていませんか?

 

 

このように,いわゆる

 

非典型の論点

最高裁判例の示した判断がない論点

未知の論点

 

に対する対処法を,あなたは準備してますか?

 

試験の現場で手掛かりとなるのは

条文と既存の基礎知識

しかありません。

 

どんなに嘆こうが,喚こうが

その論点を知らなかった自分に後悔しようが

とにかくその2つを手に戦うしかありません。

 

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では,どのようにして戦うのか?

 

あなたがこれを知らなければ

典型論点の一歩先にある応用論点を目の前に

ただ立ちつくす

あるいは間違った方向に論理を展開してしまう

ことになるでしょう。

 

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真の勝負どころ,差が付くところで

”差がつけられてしまう側”のまま不合格

になってしまうでしょう。

 

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これを解決するためには,

3つのことを意識してみて下さい。

 

  1. 基礎知識から導かれる論理を,順番に積み上げていく
  2. 典型の論理から解決できない問題点を抽出する
  3. 条文・判例・基礎知識を”組み合わせて”結論を導く

 

特に,1と2が大切です!!

ここを正確に指摘することができれば,

問題の本質に至ることができます。

 

この作業を愚直に行う中で

そこにたどり着けない受験生との差がつきます。

 

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3に関しては,もともとの法的思考センス

あるいは知識の集積とロジカルシンキングの精密さ

による説得的な文章構築力に依拠せざるを得ません。

 

さらにそのような人々と張り合うには

 

普段から判例の射程というものや,

事実のファクター及びその法的評価の差異を意識して

勉強することが必要です。

 

 

もっとも

合格水準の答案を書くには

特に1及び2の正確性と緻密さを表現できれば

充分前向きに合格を争える実力がつきます!

 

これは,私の先輩合格者のお話にあったものです。

 

今すぐ

答練などで,お話した3つのことを実践してみて下さい!!

 

次回は

答練を120%活用する方法

についお話します。

 

 

 

論点主義思考との付き合い方

 

んにちは!かわしょー吉です。

 

 

今日は

いわゆる論点主義思考

弊害活用

についてのお話です。

 

 

この論点主義思考という言葉

あなたは聞いたことがありますか?

 

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”論点主義思考”というものの捉え方は

様々あります。

 

前提として確認ですが

論点主義思考とは,広い意味でいえば

 

いわゆる論点に着目し,

これを手がかりとして答案を構築していく

思考方法

 

です。

 

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多くの受験生はきっと

この論点主義思考に対して

どちらかというとネガティブな印象

抱くと思います。

 

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しかし,

特に”論点主義思考”という言葉尻から

これにアレルギー反応を示す

そんなあなた,ちょっと考えてみてください。

 

司法試験において,論文式試験

答案について客観的に点数評価して

受験者の能力・資質を図るものです。

 

ゆえに,書くべきことが予め想定されており

そこに点数が配分されているのです。

 

まさしく

そのように点数が配分されている箇所は,

答案上「」じるべき「」です。

 

これも1つの「論点」という概念の捉え方

といえますよね。

 

このようにお話すると

じゃあ,巷にいう「論点主義思考の弊害

って何なんだ??

 

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という疑問が生まれますね。

 

これを正しく認識している人は

案外少ないのではないでしょうか?

 

つまり

 

どのような方向性での

論点主義思考がいけないのか

 

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また

 

論点思考を

正しく活用する方法

を知ることが何より重要なのです。

 

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あなたがこれを知らなければ

かえって勉強の方向性を見失う

かもしれません。

 

 

 

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”論点主義思考の排斥”を過剰に意識してしまい

かえってあなたの答案の長所を潰してしまう

負のスパイラルに陥ることにもなりかねません。

 

 

 

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まず,論点主義思考の弊害は何か?

 

それは2つあります。

 

  1. 自分がよく書ける論点ばかり大展開するクセを生む
  2. パターン化された論証をテンプレしてしまう

 

 

では,これらをどのように改善するか?

 

1つ目は

まず,論点主義思考そのものが原因では無い

ということを認識してください。

 

その上で,

答練の際などに次のことを意識してください。

すなわち

事案を分析するとき

事実要素から条文を想起することです。

 

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2つ目については

もしこの〇〇という事実が

●●という事実だったとしたら,結論はどうなるか?

△△ではどうか?

 

という連想ゲーム感覚での思索をしてみて下さい。

 

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そして

結論を導くための論理を自分で考えてから

判例等の文献にあたってみましょう

 

今すぐ実践してみて下さい。

 

知らぬ間に,あなたは

論述の安定性を感じる

ことでしょう。

 

 

次回は

基礎知識の重要性

についてお話します。

 

 

 

 

 

上位答案を書くスキルを身に着ける究極の答案模倣術

んにちは!かわしょー吉です。

 

今回は

司法試験の論文試験勉強における

 

優秀答案を学習することの重要性

 

についてお話します。

 

あなたは

法律論文を書くことは得意ですか?

 

 

法的三段論法に従って

文章を組み立てることが

苦手だというあなた

 

 

ぜひ実践してもらいたい

勉強法があります。

 

 

私も,もともと

あまり本を読んだりする習慣がなく

特に,長い文章を書くことが

すごく苦手でした。

 

 

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しかし

法律の勉強を始めて以来

名だたる法律学者が書かれている基本書

 

まさしく日本でトップといえる

一流の法律家であられる

最高裁判事の方々の書いた判決文など

 

高度に論理的な文章を読む中で

法論理を構築する文章の書き方が

徐々に染みついてきました。

 

これらを学習することの重要性は

あなたもご認識の通りであり,

これまでの私の記事でも触れました。

 

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そして,多くの人はこれだけでなく

司法試験合格者の中での

優秀答案

いわゆる上位合格者の答案を

 

見て,読んで学ぶ

 

 

あなたも

そういう学習を実践されているのでは

ないでしょうか?

 

 

私も,この優秀答案を素材として

勉強することがありますが

 

ある答案模倣術

を知り,これを実践したことで

文章表現力が飛躍的に向上しました。

 

それまで,私は

大学内の司法試験対策講座では

文章力において劣等生でした。

 

しかし,この模倣術を実践したことで

トップクラスの答練ゼミで

高得点を取り続けることができるまでに

なりました!

 

 

あなたがこの勉強法を知らなければ

 

あなたより高いレベルにいる受験生を

 

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追い抜かすことができません。

 

 

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いつまでも

自分の答案の型を確立できず

未知問に対処する応用力が

つかず終いになります。

 

 

その答案模倣術は

4種別のアプローチ

があるのですが

 

ここではそのうち1つを

公開しちゃいたいと思います!!

 

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それは

優秀答案の何を盗むのか

というアプローチから

 

5つのポイント

を意識して優秀答案を読む

という勉強です。

 

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  1. ナンバリングのつけ方とその理由を考える
  2. 論証構造の分析(規範定立とあてはめ)
  3. 展開部分と圧縮部分のウェイトのつけ方
  4. 法的評価根拠事実及び法的評価の仕方
  5. 接続詞の使い方

 

です。

 

 

これを実践するだけで

実践的な答案の型

身に着けることができます

 

そして

マネをすればするほど

合格者の答案構築の思考に

近づくことができるでしょう。

 

 

より効果的なのは

自分自身の書いた答案と比較検討してみる

ことです。

 

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今すぐ

合格答案集を手に入れ

特に上位合格者の答案を読み込んでみましょう!!

 

 

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辰巳法律研究所が出している答案集などが

おすすめです。

 

 

次回は

論点主義的思考の弊害

についてお話します。

 

なお,こちらの記事もぜひ!!↓↓↓

 

kawashokichi.hatenadiary.jp

 

 

法的三段論法の階層構造??

 

こんにちは!かわしょー吉です。


今日は

法律家の基本的思考フレームである

 

法的三段論法

 

についてです。

 

初学者のあなたは

この「法的三段論法」を知ってますか?

 

また

勉強の進んでいるあなたも

どの程度法的三段論法を知り

どのくらい使いこなせていますか?

 

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前提として

極めて簡略化して

三段論法の概念を

おさらいしておきましょう。

 

 

三段論法とは,論理学における

演繹的推論の基本的手法として

編み出されたものです。

 

これは次のようなものです。

 

【大前提】となる基本命題:A→B

【小前提】の命題:C→A

この2つの前提から,

【結論】C→A→B

 

このような推論を導くという

ロジックです。

 

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コトバンクより

 

例えば

【大前提】:人間は,いつか死ぬ。

【小前提】:かわしょー吉は,人間である。

したがって

【結論】かわしょー吉は,いつか死ぬ。

 

となります。

 

法的三段論法は

これを,

法律学における演繹的推論に置き換えた

というものです。

 

【大前提】:法律要件→法律効果

【小前提】:具体的事実→法律要件

【結論】:具体的事実→法律効果

 

簡単に言えば

このようになります。

 

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これが

法的三段論法の基礎中の基礎

です。

 

 

より具体的な例を使うと,

次のようになります。

 

刑法第235条 窃盗罪

「他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,

十年以下の懲役または五十万円以下の罰金に処する。」

 

事実:Xが,Vの財布を,ポケットの中から

そっと抜き去り,これを持ち帰った。

 

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【大前提】

他人の財物を窃取した者

→窃盗罪として10年以下の懲役Or

50万円以下の罰金に処する。

 

【小前提】

(事実)→「他人の財物を窃取した」

 

【結論】

A君には窃盗罪が成立し

10年以下の懲役Or50万円以下の罰金に処される。

 

*説明の便宜上,故意(38条1項本文)等の

要件を省いています。

 

 

この法的三段論法

 

実は

今説明してきたことが

全てではありません!

 

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法的三段論法は,

その形を文章表現により

変幻自在に操ることができます。

 

もっとも,その内容は,

個々人によって

相対的な側面がありますが

 

 

今回は

基礎的な理解として

 

法的三段論法の階層構造

 

という概念を共有したいと思います。

 

 

あなたがこれを知らないままだと

 

答案を書くときに

文章の読みやすさが,

相対的に低くなります。

 

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具体的に言えば

同じ論証を書いたとしても

 

法的三段論法の階層構造を意識した

答案と相対化されることで

「論理の飛躍」を指摘され

 

ほんの

0コンマ数点の僅差

司法試験合格ラインから

切り落とされる可能性さえあります。

  

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この差は,一見僅差に見えて

凌駕することがおよそ困難なものです。

 

なぜなら

これを実践している合格者の方々は

さらに高い次元で

順位を競っているからです。

 

 

ちなみに

法的三段論法の重要性は

このように指摘されています。

 

法律条文の趣旨を踏まえて、その解釈を示し

具体的な事実関係を当てはめて結論を出すという

法的三段論法に沿った論述」が求められる。

(平成21年度司法試験行政法採点実感参照)

 

 

 

では,

法的三段論法の階層構造とは何か?

 

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それは

1段階:条文(法律要件)→法律効果

のみならず

 

条文法律効果

この

→の中身に内在する

三段論法のことです。

 

つまり

 

第2段階:規範定立の三段論法

・条文の文言→法律要件の趣旨・価値判断

・法律要件(条文・制度)の趣旨・価値判断

→具体的な規範命題

 

⇒条文の文言→具体的な規範命題(→法律効果)

 

第3段階:あてはめの三段論法

・法的評価→具体的規範命題

・具体的事実の抽出→法的評価

 

⇒具体的事実→具体的な規範命題(→法律効果)

 

【結論】

具体的事実→法律効果

 

 

より具体的に説明すると

 

 

売主A

第一買主B 第二買主Cという

不動産の二重譲渡の事例でよく出る

民法177条の問題を想定してください。

 

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図はhttp://www.law-ed07.com/cyber-law/minpou/0177.htmlより

 

 

【大前提】

「第三者」→「登記」がなければ

当該第三者に権利の取得を

対抗することができない(民法177条参照)。

 

Ⅰ規範定立の三段論法

・177条の趣旨

→「登記による公示によって

不動産取引の安全」を図る

 

・「不動産取引の安全保護」という価値判断

→「登記による公示」の欠缺を

主張する正当な利益を有する者を保護。

 

⇒177条にいう「第三者」とは,

「・・・登記の欠缺を主張する

正当な利益を有する者」

をいう。

 

【小前提】

Cに関する事実→「第三者

 

Ⅱあてはめの三段論法

 

・「登記の欠缺を主張する正当な利益を有する」

→「第三者

 

・Cに関する事実○○,□□

→「登記の欠缺を主張する正当な利益を有する」

なお,Bは登記なし。

 

⇒C→「第三者」にあたる。

 

【結論】

BはCにAから不動産を買い受けたことを

対抗することができない。

 

 

このようになります。

 

では,これと

先ほどの基本形のみを使った場合を

比較してみて下さい。

 

【大前提】

「第三者

→登記がない限り,権利を主張できない(177条)。

 

【小前提】

Cには,○○という事実,□□という事実

→「第三者

なお,Bは登記なし。

 

【結論】

Bは,C(第三者)に

Aから譲り受けた

不動産の権利を主張できない。

 

 

どちらが

より緻密で,説得力があるでしょうか?

 

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階層構造を意識した

前者の方が,

より分析的で,論理が緻密である

といえます。

 

他方

後者は,特に

 

なぜ

Cの○○及び□□という事実から

「第三者である」

という帰結が導かれるのか

 

釈然としません。

これが論理の飛躍であり

点数の差につながるのです。

 

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いかがでしたか?

 

私が愛用している教材も

ここでご紹介しておきます。

 

www.amazon.co.jp

 

また,具体的な応用の1つとして

こちらの記事もご覧ください。↓↓↓

 

kawashokichi.hatenadiary.jp

 

 

次回は,

マネする技術とその効果

についてお話します。

判例の読み方

 

こんにちは!かわしょー吉です。

 

今回は

司法試験受験生が勉強する上で

最も大切にするべき

判例

というリソースについてです。

 

 

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判例の文章って

初めて読んだとき,こう思いませんでしたか?

 

これは日本語か?

やたら長い。読みつかれる。

 

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なのに,司法試験の考査委員の方々は,

判例の正確な理解,事案との関係を踏まえた

当該判例の射程範囲の確認,

判例における問題点を考えさせる学習の

一層の深化・・・を期待したい」。

(平成25年度司法試験公法系第1問採点実感)

と仰っています。

 

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そうかぁ。それなら・・・

暗記パンがあればできそうだ!!

 

 

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ドラえもーん泣

 

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しかし,残念なことに

 

暗記パンなんていう

都合のいいものはないし

 

仮にあったとしても

基本7科目の法律科目の主要判例

暗記パンで覚えようとするだけで

おそらくこうなります。

 

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そんなあなたに朗報です!!

裁判官の思考を追体験することができ

その思考を自分で使いこなせるようになる

勉強法があります!!

 

と言ったら,あなたは知りたいですか?

 

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あるんです!!

 

 

判例の規範論証が

現場で書けないあなた

 

判例を引用したとしても

的はずれな判例を引用してしまうあなた

 

今からお話する

たった3つのポイント

を知らなければ

 

上記採点実感にもあるように

まず司法試験で評価される答案を

書くことはできないでしょう。

 

一方,合格者・できる人は

これを当たり前のように知っています

 

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司法試験,

特に論文試験は相対評価なので

これを知らないあなたは

不合格者として

淘汰されてしまうかもしれません。

 

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では,その3つポイントとは何か?

 

  1. 事案の概要を押さえ,法的な問題点を自分で発見する
  2. 判決理由を種別化して整理する
  3. 判例の位置づけを把握する

 

です。

 

では,どのようにそれを実践するのか?

 

1つ目は,事案をストーリー化することにより

具体的なイメージを持って頭に刷り込ませます。

 

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また,法的な問題は

 

あるいは明文上明らかでない点で,

どのような理由で問題となるのか

自分の頭で考えて,導き出すことです。

 

自分が裁判官になったつもりで

自分なりのロジックを作ってみる

 

そういう意識も効果的でしょう。

 

2つ目は,区別の仕方は様々ありますが

基礎の基礎としては

理論的根拠と具体的妥当性の区別

をポイントとするといいです。

 

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3つ目は,

 

いわゆるリーディングケースなのか

 

あるいはそれに追従する判例なのか

あるいはリーディングケースとの事案の射程を区別して

別の判断枠組みを提示したものなのか

 

これらを,各種判例評釈を参照しつつ

整理することが大切です。

 

あくまで

判例を”暗記”することは

必要ないのです!

 

いかがでしたか?

 

判例百選や判決の原文を読むとき

今すぐ意識してみて下さい!!

 

次回は,法的三段論法とは何か?

についてお話します。