2018-11-26から1日間の記事一覧

H30司法試験予備試験 刑事実務基礎 再現答案

設問1について 「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」の有無を判断するにあたっては,罪証隠滅の対象,隠滅の態様,隠滅の主観的ないし客観的可能性の有無を考慮要素として判断される。 本件被告事件は,本件カーナビの窃取及び本件自動車の器物損壊に…

H30司法試験予備試験 民事実務基礎 再現答案

設問1 小問(1) Xが採りうる法的手段としては,YのAに対する80万円の売買代金債権について仮差押命令手続をする保全手段が考えられる(民事保全法20条1項,50条1項)。 かかる法的手段を採らなければ,法的には,他の債権者への譲渡ないし差押え等がされ,ある…

H30司法試験予備試験 刑事訴訟法 再現答案

設問1 前提として,Pらによる甲に対する職務質問(警察官職務執行法(以下,警職法という。)2条1項)の適法性については,甲はPと目が合うやいなや,急に慌てた様子で走り出している事情,場所が凶器を使用した強盗等犯罪の多発地域であったことから,不審事由(…

H30司法試験予備試験 刑法 再現答案

甲の罪責 甲がA銀行B支店において定期預金の払い戻しを受けた行為 かかる行為について,詐欺罪(刑法(以下,略す)246条1項)の成否を検討する。 まず,A銀行B支店の500万円の定期預金が「他人の財物」にあたるかについて,詐欺罪が占有を侵害する交付罪たる類…

H30司法試験予備試験 民事訴訟法 再現答案

設問1について 同一の訴状により,Y及びZを被告とする手段は,共同訴訟の提起であると考えられる。すなわち,通常共同訴訟の提起による手段が考えられる(民事訴訟法(以下,略す)38条)。 共同訴訟が認められるには,「訴訟の目的である権利又は義務が数人につ…

H30司法試験予備試験 商法 再現答案

設問1について Dは,監査等委員である取締役選任に係る議題及び公認会計士Fを監査等委員である取締役に選任する議案を提出するべく(会社法(以下,略す)303条2項),要領記載請求をしている(305条1項)。甲社は,公開会社であるため,取締役会設置会社であると…

H30司法試験予備試験 民法 再現答案

設問1について 設問前段 ①につき,債務不履行に基づく損害賠償請求権(民法(以下,略す)415条)が認められるには,「債務の本旨に従った履行をしない」ことが必要であるが,そもそもACは本件で直接の契約関係にない。そこで,債務の不履行がいかなる根拠に基づ…

H30司法試験予備試験 行政法 再現答案

設問1について 本件勧告の処分性 「行政庁の処分」(行政事件訴訟法(以下,行訴法という。)3条2項)とは,公権力の主体である国又は地方公共団体が行う行為のうち,その行為により,直接国民の権利義務を形成し,又はその範囲を確定することが法律上認められて…

H30司法試験予備試験 憲法 再現答案

法律上の争訟性について 「法律上の争訟」にあたるか否かは,司法権(憲法(以下,略す)76条1項)の発動に関わる。そもそも,司法権とは,権利義務関係に関わる具体的な紛争について,法を解釈適用し,これを宣言することによって,紛争を終局的に裁定する国家…