ノートをとる勉強とメモをとる勉強
こんにちは!かわしょー吉です。
みなさんは,普段勉強するとき
ノートをとりますか?
私は
大学の講義や司法試験対策の講義では
その最中
“ノート”をとることをしませんでした。
その代わり,必要に応じて
“メモ”を取り
それを復習するときに
“ノート”にまとめていました。
この“メモ”と“ノート”をとる行為の
それぞれの区別は
この後触れていきます。
ところで
なぜノートをとるのか?
ということを明確化しておかなければ
ノートをとるという行為
それ自体の意味するところは
単なる「作業」以上の意味を持ちません。
例えば
授業中先生の書いた黒板を
まるで写経するように
一言一句もらさずにすべて書きとったノート
あるいは
特に意味はないけど
絵やカラフルなペンを使って
彩り鮮やかにまとめたノート
※写真はイメージです。
どれも
およそ学校の定期テストでは高得点に
ひと役買ったり
ノート提出で評価される科目では
S評価を獲得することができたでしょう。
しかし,このような勉強法は
司法試験合格を目指す上では
時間のムダと
3日後には忘れてしまう
役に立たない知識の堆積を生む
だけです。
なぜか?
それは
見たこと,聞いたことの
コピー・アンド・ペーストをする
思考回路を作っているだけだからです。
司法試験における
この2つの方式で問われることは
受験生の法律知識はもちろん
事案分析力,法的思考力,
文章表現力,etc…
こういったものを試す試験です。
短答式試験では
参照することのできる素材はありません。
もちろん,あなたが使っている
基本書やテキストの著者が試験を作成している
とは限りませんから
学校の定期テストのように
教科書に書いてあることがそっくりそのまま
出題されるわけではありません。
論文式試験では
六法を参照し,法論理を組み立てて
出題された事案について
説得力のある結論を導出しなければなりません。
写経して覚えた
規範論証,あてはめの仕方
それをそっくりそのまま
目の前の事案にあてはめられる
というわけではないのです。
したがって,
先にふれた2つのケースにあたるというあなたは
今すぐそれを改善する必要があります。
ただし,勘違いしないでください。
ノートをとること自体は
間違った勉強法ではありません。
ノートのとり方
が問題なのです。
では
それをどう改善するか?お教えしましょう。
それは
あなたがノートをとる・メモをとる
その理由を明確にすること
です。
まず,前提として,ご参考までに
私の中での
“ノートをとる”という行為と
“メモをとる”行為
をそれぞれ定義しておきます。
便宜上,“メモをとる行為”からいうと
基本書を読んでいて
あるいは大学の講義で教授の話を聞いていて
浮かんだ疑問ないし思考を
書き留める行為
です。
そして,“ノートをとる行為”とは
メモで書き留めた内容を
自分の言葉で文章化し,あるいは図式化し
整理した上で,既存の知識と結合させて
論理的に体系化する行為
です。
そして,それぞれの目的は,こうです。
メモをとる行為は
・閃き,理解や思考をその場で言語化し,
事後のノート整理のために保存しておく
・後で講師に質問したりするため
ノートをとる行為は
・アウトプット(応用)を想定して
自分の理解に落とし込むため
・バラバラの知識に構造的かつ
有機的な一体性をもたせるため
・後で見直し,あるいは修正するため
これは,あくまで私のケースです。
あなたのノートのとり方が
私と同一の目的でなくても
それがあなた自身の脳の構造,理解のクセ
思考回路の特性を理解した上で
自分なりに編み出した
ノートのとり方
メモのとり方
であれば,問題はありません。
細かく色分けして
ノートを書くことも
原則は赤,例外は青,趣旨はオレンジ
でアンダーラインを引く。
テキストの記述にマーカーを引く。
ただ,ここまでいくとやりすぎですかね(笑)
ともあれ
このようにルール化することで
格段に理解力が向上します。
実際に,私もこのような方法を実践しています。
さらに,このことは
前回お話した
基本書の読み方として
知識の暗記→×
理解に基づく柔軟な思考基盤→〇
を作る上でも,応用することができます。
つまり,基本書を読むとき
色分けのルールに従って丁寧に読むこと
あるいは
読んでいて疑問に思ったところ
ストンと理解できないところ
それを自分の言葉でメモしておく
地道ですが
これは不思議と暗記しようとしなくても
勝手に脳の思考回路が理解している
そんな感覚が身に付く勉強法です。
これを繰り返していくうちに
自分の頭で法的思考をするクセ
がつきます。
私たちが司法試験に
合格するために得たい
法的思考力そのものです!!
また
長ったらしい論証を暗記しなくても
短く端的な論証を自分の言葉で
要約できるようにもなる
そういった効果も得られます!
今すぐ実践してみて下さい。
次回は,
判例の読み方
についてです。